〒761-8081 香川県高松市成合町728-7

TEL:087-885-1233

香川県高松市の内科 大饗内科消化器科医院 内科 消化器内科 心療内科

ブログ記事一覧

MOBILE SITE
HOME»  ブログ記事一覧»  内科・消化器科

内科・消化器科

  • 件 (全件)
  • 1

アスタキサンチンによるNASHの予防・抑制

2016年の抗加齢医学会総会のランチョンセミナーにおいてアスタキサンチンが取り上げられましたので、その元になる発表(金沢大学)をまとめてみました。

 

国内患者数が2000万人と推定され、肝臓の生活習慣病といわれる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、肝臓に脂肪が沈着した単純性脂肪肝と、単純性脂肪肝に炎症を発症した非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に分類されます。NASH520%が肝硬変や肝がんへと進行します。

 

マウスを使った実験では、NASHを引き起こす高コレステロールの餌にアスタキサンチンを混ぜた群は、インスリン抵抗性(メタボリック症候群の大元の原因)が弱まり、肝臓の脂肪沈着が約50%減少しました。さらに脂肪沈着によって生じる脂質の過酸化(酸化ストレス)が80%以上抑制され、脂肪肝からNASHの発症が抑えられることが判明しました。

 

次に、NASHを発症させたマウスに、餌にアスタキサンチンを混ぜたものを与えると、肝硬変につながる肝臓の炎症や線維化が80%近く改善し、治療効果を示すことが判明しました。

 

臨床試験においても、NASH患者においてアスタキサンチン摂取により肝臓の脂肪蓄積が抑えられていることが確認されています。

 

当院では、高度の脂肪肝患者様、ヒアルロン酸値上昇・フェリチン値上昇・血小板数減少などからNASHへの移行が危惧される患者様に対し、アスタキサンチン摂取を勧めています。

2017-09-12 16:07:41

マラソンにおける心停止

マラソンにおける心停止の話が、MEDICAL ASAHI(ERリポート 有吉孝一)に掲載されていましたのでまとめてみました。
 
白川らによれば、国内で開催された過去10年間(2002~11年)のマラソン競技で107例の心停止が発生し、その生存率は53%でした。また、心停止はゴール地点37%、レース3/4以降31%と、レース後半に多いということです。
 
米国での調査によりますと、マラソン中の心停止は10万人当たり2.03人(2005~2010年)で、他の運動競技に比べてリスクが高いわけではありませんが、年々増加しているようです。
原因は肥大型心筋症が最も多く、次に多い心筋梗塞よりも予後が悪いということです(肥大型心筋症は心エコーで簡単にわかりますから、マラソン競技者は一度は循環器内科で確認しておいた方がよいかもしれません)。
 
作家の村上春樹氏は、マラソンについて「僕がいつも決めてやっているのは、最後の400mを全力疾走することです。どんなきついレースでも、どんなコンディションでも、そのときに出せる最大のスピードで全力疾走します、それは一種の礼儀であり美学だと思っているから」と述べているそうですが、ゴール地点で心停止が多いことを考えると危険な走り方といえるでしょう。
 
なお、別のかなり古い文献によりますと、マラソンにおいて30km以降で血圧が急上昇する例があるそうです。このような例も心停止に至る可能性があります。レース中にリスト型の血圧計で自分の血圧の変化を確認してみるのがよいかもしれません。
 

2015-09-11 17:50:00

骨粗鬆症の時間治療

骨粗鬆症に伴って生じる骨折は高齢者が寝たきりになる原因の第三位であり、アンチエイジングのためにも注目すべき病態です。日本医事新報(2013/6/15)に、「骨粗鬆症の時間治療」(藤村昭夫)と題する興味ある文献をみつけましたのでまとめてみました。

加齢に伴って腸管でのカルシウム(Ca)吸収が低下し、血中Ca濃度が低下します。これを代償するために副甲状腺ホルモンの分泌が亢進し、副甲状腺ホルモンは骨を壊し(骨吸収)、低下した血中Ca濃度を上昇させます。
ヒトでは、一般に夜間に骨形成が亢進し、昼間に骨吸収が亢進します。その結果、夜間にはCaが骨組織に取り込まれるために血中Ca濃度は低下し、さらにそれを代償するために血中副甲状腺ホルモン濃度は上昇します。このような骨代謝における日内リズムは老人性骨粗鬆症、閉経後骨粗鬆症ともに認められます。閉経後骨粗鬆症では血中副甲状腺ホルモン濃度は1日を通じて上昇していますが、昼間に比べて夜間のほうが高くなります。

活性型ビタミンD3(エディロール、アルファロールなど)
活性型ビタミンD3は、骨量維持効果と椎骨骨折予防効果を有していますが、副作用として高Ca血症を来しやすくなります。活性型ビタミンD3の午前8時投与と午後8時投与を比較すると、血中Ca濃度の上昇は午前8時投与群のほうが大であり、一方血中副甲状腺ホルモン濃度の低下およびそれに伴う骨塩量の増加は午後8時投与群のほうが大でした。すなわち、活性型ビタミンD3の時間治療(夕食後投与)は安全性とともに有効性にも優れた投与法といえます。

カルシウム
Ca補給は、Caの負のバランスを是正し、血中副甲状腺ホルモン濃度を低下させることによって骨量減少抑制効果をもたらします。これまでの報告では、骨吸収マーカーなどを指標に検討すると、骨粗鬆症患者に夜Caを投与したほうが、午前中に投与するよりもより大きい効果が得られています。

ラロキシフェン(エビスタ)
ラロキシフェンは、破骨細胞の作用を阻害することによって骨吸収を抑制します。しかし、ラロキシフェンは副作用として深部静脈血栓症の危険性を増大させることが知られています。血栓を溶解させるプラスミノーゲン活性化因子インヒビター濃度(PAI-1)を指標にした検討では、ラロキシフェンを朝投与した群ではPAI-1が有意に上昇したが、夕投与群ではPAI-1の上昇は認めなかった、と報告されています。PAI-1が上昇すると静脈血栓が形成される危険性が高まるため、ラロキシフェンは夕投与するほうがより安全であると考えられます。

骨粗鬆症に用いられている薬物には、投与時刻によって安全性や有効性が異なるものがあり、特に上記の薬物は、夕食後投与あるいは就寝前投与がより有効であり、安全性にも優れているようです。
筆者も多くの患者様に活性型ビタミンD3を投与していますが、順次朝食後投与を夕食後あるいは就寝前投与に切り替えています。

 

2014-02-25 16:31:00

低HDL-C血症

HDL-C(いわゆる善玉コレステロール)濃度は、冠動脈疾患(心筋梗塞など)の独立した危険因子であり、メタボリック症候群の診断基準にも含まれています。しかし実地臨床では、生活習慣の改善(有酸素運動、野菜摂取)や服薬によっても十分な改善が得られず、対応に苦慮することがまれではありません。
医学雑誌のmedicina(2013.6月)に「最新の動脈硬化診療」が特集され、HDL-Cについて「低HDL-C血症への対策」(高田耕平他)、「dysfunctional HDL」(小松知広他)の2つの論文が掲載されていましたのでまとめてみました。
また、当診療所での最近の経験で、低HDL-C血症の男性に対しフリーテストステロン値を測定しましたところ、大半の患者様が低値を示しましたので、この方面からの当院での試みも述べてみました。

血中HDL-C濃度は冠動脈疾患発症と逆相関し、血中HDL-Cが低いと冠動脈疾患発症のリスクが上昇し、高いとそのリスクが軽減します。1mg/dlのHDL-Cの増加により2~3%の冠動脈疾患リスク低下という負の相関関係が報告されています。
HDLには①コレステロール逆転送系、②抗血栓作用、③抗酸化作用(酸化LDLの抑制など)、④抗炎症作用、⑤血管内皮機能改善作用(一酸化窒素産生)、⑥抗アポトーシス作用など、さまざまな抗動脈硬化作用を有することが知られています。特に、①の末梢の余剰なコレステロールを肝臓に戻し、最終的には糞便として体外に排出する作用は、HDLの抗動脈硬化作用として最も重要な機能であると考えられています。
また、最近HDL-Cは量だけでなく質が問題であることが報告され、冠動脈疾患、喫煙、糖尿病、関節リウマチなどの炎症性疾患等ではHDL機能が低下していることが知られています。
低HDL-C血症をきたす原因として、喫煙、肥満、慢性腎臓病、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症などが知られていますが、中でも近年増加しているのが、インスリン抵抗性を基盤とした2型糖尿病や、メタボリックシンドロームに伴う高中性脂肪血症を併発した低HDL-C血症です。インスリンの作用低下時には脂肪細胞における脂肪分解が促進し、血中に遊離脂肪酸が放出され、それが肝臓での中性脂肪(TG)産生亢進をもたらし、さらにインスリン作用不足によりTG分解が抑制され、血中TG-richリポ蛋白(カイロミクロンやVLDL)の増加とHDL産生の減少へとつながります。
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版では、脂質異常症の診断基準の1つに低HDL-C(40mg/dl)が含まれており、その管理目標は40mg/dl以上に設定されています。
HDL-Cを増加させる手段として生活習慣への介入が有効で、①禁煙、②不飽和脂肪酸やn-6系多価不飽和脂肪酸の摂取を避ける、③青魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸を積極的に摂取する、④炭水化物の過剰摂取を避ける、⑤有酸素運動を行う(HDL-Cは運動時間と正の相関関係)、などが挙げられます。
HDL-Cを増加させる薬剤として、①スタチン(HDL-Cを5~10%増加させる。ただしアトルバスタチン〔リピトール〕はHDL-Cを低下させる)、②フィブラート系(35~45%のHDL-C上昇作用)、③EPA〔エパデール〕(わずかにHDL-Cを上昇させる)、④エゼチミブ〔ゼチーア〕(スタチンとの併用でHDL-Cは8~9%増加)、が知られています。

当院ホームページのアンチエイジングブログに「テストステロン(男性ホルモン)とLOH症候群(男性更年期)」が掲載されていますが、低HDL-C血症の一因としてテストステロン低値が挙げられています。そこで低HDL-C血症の男性患者様のフリーテストステロン値を測定しましたところ、大半の患者様がテストステロン補充療法の適応とされる8.5pg/ml以下でした。当院では低HDL-C血症の男性患者様に対し、食事・運動療法の他にテストステロン増加作用があるとされる漢方薬を投与し、さらに、前立腺癌の危険がなく、動脈硬化の増悪を認めるなど必要であると判断された場合はテストステロン補充療法(注射あるいは軟膏)を試みています。

 

2013-07-22 15:53:00

糖尿病と癌

日本内科学会雑誌(2013年4月)に「糖尿病に関連する内科疾患」の特集が組まれました。その中の糖尿病と癌との関連についての論文(能登 洋)が興味深かったのでまとめてみました。
世界的に糖尿病患者ではがん発症のリスクが男女とも同程度に有意に高いことが報告され(膵臓癌1.82倍、大腸癌1.30倍、乳癌1.20倍)、日本人のがんリスクも有意に高く(癌全般で1.7倍)、世界的リスクよりさらに高値であることが報告されています。
日本人の臓器別癌に関しては、糖尿病に伴う肝臓癌(3.64倍)と子宮体癌(3.43倍)のリスクがいずれも有意に高値であることが示されています。また、C型肝炎ウイルス感染者でも肝臓がん発症への寄与が特に大きいのは肥満と高血糖でした。
なお、糖尿病患者ではインスリン抵抗性によりテストステロン(男性ホルモン)産生が低下します。前立腺癌はテストステロン依存性であるため、他の癌と異なり、糖尿病患者では前立腺癌のリスクは低下します(海外の報告で0.84倍)。
糖尿病患者の癌リスクが高い機序として、高インスリン血症と高血糖が関与しているとされています。
2型糖尿病はインスリン抵抗性と代償的高インスリン血症を特徴とします。インスリンはinsulin-like growth factor-1(IGF-1)受容体に結合することで癌を誘発することが想定されています。
高血糖は酸化ストレスを高め、それが発癌の第一段階であるDNA損傷を引き起こすことが提唱されています。2型糖尿病の癌細胞増殖や転移は高血糖で促進することが報告され、また血糖値と癌リスクには正の相関があることも報告されています。
治療薬としてのインスリンはIGF-1受容体を介して発癌リスクを増加させる可能性があるため、インスリン治療に際しては癌リスクの可能性も念頭に管理すべきとされています。SU薬(アマリールなど)やグリニド(シェアポストなど)も癌リスクが高まるとの報告があります。ただしインスリンやSU薬により(おそらく高血糖が改善するため)、癌リスクの有意な低下を認めたとの報告もあります。
メトホルミン(メトグルコ)はAMP(adenosine monophosphate)activated protein kinase(AMPK)の活性化を介して発癌リスク低下作用を持つことが想定されています。日本人の解析でも発癌・癌死のリスクともメトホルミン服用者で低いことが報告されています(全癌発症が0.67倍、肝臓は0.20倍、結腸直腸は0.68倍/全癌死が0.66倍)。
ピオグリタゾンは全癌リスクには影響ありませんが、膀胱癌のリスクを有意に増加させる報告が相次いでいます。
DPP4阻害薬(ジャヌビアなど)は、一部の癌リスクが増加する可能性が示唆されていますが、リスクの増加を認めないとの報告もあります。

当院でも肝炎ウイルス陰性の糖尿病患者様に肝臓癌を認めた経験があります。糖尿病の方は定期的なエコー検査、内視鏡検査、乳癌検診などが重要であると思われます。

2013-05-08 17:10:00

甲状腺疾患の話題

日本医師会雑誌(2013.2)に甲状腺疾患の特集が組まれました。筆者の経験も加えてまとめてみました。
 
まず甲状腺機能亢進症の話です。筆者の所属していた医局(北海道大学第3内科)では刑務所の医務室へ医局員を派遣しておりました。聞いた話ですが、収容者の中に甲状腺機能亢進症(バセドー病)の患者がいて、通常の服薬量では検査値が正常化せず5割ほど薬量を増量してやっと正常化傾向になった、ということです。甲状腺機能亢進症では神経過敏で落ち着きがなくなるなどの症状が出現することがあり、この収容者が刑務所に入る原因になった可能性もありえると思われます。もう1つ、筆者の勤務していた某民間病院の経験です。この病院にはいわゆるトラブルメーカー、他科の医師と衝突を繰り返していた問題医師がおりました。この医師が、あるとき町で飲酒後に突然足に力が入らなくなったということで、検査を行ったところ甲状腺機能亢進症が判明したということです。この脱力は飲酒、ストレスなどを誘因として男性バセドー病患者の10%にみられる周期性四肢麻痺という病態でした。なおこの医師が治療後に性格が穏やかになったかは確認しておりませんが、甲状腺機能亢進が問題医師になった一因であろうと推測しております。

甲状腺機能低下症では、潜在性甲状腺機能低下症(血中甲状腺ホルモン値が正常範囲内で、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン値のみ高い)が注目され、心血管系イベントのリスク因子となることが多数報告されています。
当院でも、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの古典的心血管系イベントのリスク因子を持たない60代女性に高度の頚動脈硬化を認め、潜在性甲状腺機能低下が判明した症例を経験しています。
なお過剰なヨード摂取により甲状腺が抑制されることがあり、ヨード含有うがい薬(イソジン)、ヨード添加卵や海藻類(特に根昆布)に含まれるヨードで甲状腺機能異常がみられることがありますので注意が必要です。

犯罪者やトラブルメーカーにならないために、また動脈硬化のリスク因子を早期にみつけるために、また甲状腺機能低下は認知症やうつ病、学業の低下の原因となりえますので、若年からの数年毎の定期的な甲状腺機能検査をお勧めします。

 

2013-03-18 17:54:00

頭痛

片頭痛は早期に適切に治療しないと進行して慢性化することがわかってきました。医学系雑誌Nikkei Medicalに片頭痛の特集が掲載されておりましたのでまとめてみました。

片頭痛は不適切な治療や加齢で進行し、3割が慢性化するといわれております。片頭痛の慢性化には脳の器質的な変化が関連すると考えられています。すなわち、脳内の痛み調節システムが異常を来し、痛み刺激に感作された状態(通常では痛みと感じない刺激すら痛みとして認識する)が生じます。
慢性化した患者の約半数は薬物乱用が原因と分析されています。薬物乱用頭痛の原因として最も多いのは市販の鎮痛薬の乱用ですが、医師が日常的に処方する鎮痛薬やトリプタン系薬によっても薬物乱用頭痛は生じえるとされています。
頭痛急性期の鎮痛薬の使用が月に10回未満であれば薬物乱用頭痛のリスクには全くなりませんが、月に半分以上服用している場合は薬物乱用頭痛を生じるリスクが高いとされています。なお腰痛や生理痛など、頭痛以外の目的で服用する鎮痛薬でも、合計の服薬日数が増えれば薬物乱用頭痛を招きかねないので注意が必要です。
また、一昔前までは片頭痛は若年女性に多く、閉経と共に治癒すると考えられていましたが、加齢に伴っても片頭痛は慢性化することが指摘されています。慢性化した頭痛の中には、肩こりやめまい、不眠などの緊張型頭痛様の症状が片頭痛に加わり、片頭痛の症状が変化することがあり、中高年の方の頭痛の中には片頭痛のなれの果ての慢性頭痛の可能性があります。
薬物乱用頭痛の発生を防ぐためには、適切に予防薬を組み合わせる必要があります。予防薬として有効な薬剤として、抗てんかん薬、降圧薬、抗うつ薬などがあり、積極的な活用が必要であることが強調されています。なお片頭痛に対する予防療法導入の目安として、頭痛日数が月に15日以上、服薬日数が10日以上では必要と考えられています。

当院通院中の60代女性は、毎日朝から頭痛発作が生じるため連日鎮痛薬を服用しておりましたが、予防薬2種類の追加によりやや鎮痛薬の必要性が減っているようです。

2013-03-11 14:50:00

  • 件 (全件)
  • 1
pagetop
PAGE TOP